解決事例

事例02退職した従業員からの未払割増賃金(残業代)の請求に対し、交渉によって請求額を減額して和解を成立させた事例

  • 担当弁護士埋田 昇平
  • 事務所福岡事務所

ご相談内容

ご相談内容

依頼主
Aさん(男性) / 職業:不動産業

不動産賃貸管理業を営むB社(本店所在地は福岡県内)は、退職した従業員Aが弁護士に依頼して未払残業代を請求してきたとして当事務所にご相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士の活動

B社の代表者のお話によると、Aさんの業務量はそこまで多くなく、残業をする必要などなかったはずだとのことでした。
また、Aさんは勤務時間中に私用で外出してなかなか店舗に戻ってこなかったり、備品購入の領収証をなくしたりするなど、問題のあった方のようで、B社の代表者としてはそのような従業員に残業代を支払う気になれない。とのことでした。
従業員の業務量にはかかわらず、裁判実務ではタイムカードの打刻時間で従業員の労働時間を把握することが基本です。労働審判、民事訴訟の手続の中で争っても、徒に時間がかかるだけで使用者にとって大きなメリットはないと考え、任意の交渉によって解決を図ることにしました。
また、始業時刻、退勤時刻は大きく争わず、Aさんの勤務態度に関する聴き取り結果をもとに、休憩時間を長くとっていたとして労働時間を争う方針を立てました。

解決結果

解決結果

任意の交渉段階で、一定の金額提示を行ったため、代理人間でスムーズに交渉を進めることができ、最終的に労働審判等の裁判所の手続には至らず、頭金と分割払いでの合意が成立しました。

弁護士のコメント

弁護士のコメント

労働者の労働時間を管理することは使用者の責務であり、時間管理の方法は、タイムカードの打刻時間にかかわらず、日勤表に記入させる、事前承認制をとるなど、事業所によって様々ですが、裁判所では、基本的にタイムカードに打刻された出勤時刻と退勤時刻の間が労働時間と認定されます。
使用者側にも様々な言い分があることはもちろん承知していますが、タイムカードとは別の基準によって労働時間を認定させるのは、なかなか難しいのが現実です。
また、未払割増賃金の請求については、従業員の在職中は年6%、退職後は賃金の支払の確保等に関する法律第6条により年14.6%の遅延損害金が付されること、民事訴訟に至った場合には労働基準法114条により未払割増賃金と同額の賦課金の支払を命じられるおそれがあるなど、徹底的に争うことが使用者側に不利益に働くこともあります。
使用者の立場で従業員から未払割増賃金の請求を受けた場合には、裁判実務に照らしてどこまで争うか、適切な解決案は何か見極めることも重要です。

文責:弁護士 埋田 昇平

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